一週間前が遠い過去に感じられるほど、今週も怒涛のようにポッドキャスティング関連のニュースが流れた。週末の落ち着いた気分でここしばらくの動きを少しまとめてみよう。
●リスナー向けソフト続々登場
RSSフィード・サービスのベンダーFeedBurnerによるとポッドキャスティングのダウンロード・ソフトのトップ4はiPodder、iPodderX、Doppler、Nimiqだそうだ。しかし、リスナー向けソフトがこれで決定というわけではない。ここのところ新製品、バージョンアップなどの発表が相次いでいる。WMP(Windows Media Player)と連携するPrimetime Podcast Reciever、RSSリーダのFeedDemon1.5やNewsFanがポッドキャスト機能をサポートし始めた。まだα版だがPodcast Tunerというのも発表された。これまでのようにiTunes+iPodderの組合せだけでなく、他のプレイヤーとの組合せや、RSSニュースリーダーのような既存のソフトがポッドキャスト・ダウンロード機能を拡張サポートするようになったりポッドキャストのリスニング環境のバラエティーがどんどん充実し始めている。
ちなみに、NewsFanは日本、Nimiqはノルウェイで開発されたソフトだ。開発のほうも世界的な広がりを見せ始めている。
●高まるポッドキャストの認知度
AP通信社のようなメジャーニュースネット(日本語版記事)やUSA Todayのような全国新聞でもポッドキャストが紹介され、ポッドキャストの認知度という意味でもここのところ伸張著しい。
ポッドキャストの認知度という意味では アメリカで音楽の著作権管理を行う団体「ASCAP」(米国音楽著作権団体)がインターネットでの音楽許諾契約の中で初めて(他の放送形態とあわせて)ポッドキャスティングに関する使用許諾条件を発表したのも一つの現れだろう。現実には付帯条件もいろいろついているし、ASCAPの条件だけクリアすればよいというほど単純な話ではないようだが、ポッドキャストの仕掛け人の一人Daily Source CodeのAdam Curry氏が2/8の放送でやや興奮ぎみの声で言っていたように、公的な文書の中で初めてポッドキャスティングに言及されたことのほうが意義が大きいように思う。貴重な一歩ということだろう。
ちなみに、ASCAPのオリジナル文書には"pod-casts"とあり、どうやらこれがポッドキャストの「正式な」綴りらしい!!
●電波メディアのポッドキャスト進出
この世界では少々旧聞に属してしまうかもしれないが、BBCがFighting Talkのポッドキャストをはじめた。BBCではしばらく前から実験としてIn our timeという番組のmp3ダウンロードを1本だけやっていたが、今回はいよいよ週間配信ということだ。米国ではNPR(National Public Raid、公共全国ネット)の各局が積極的で、しばらく前からIT Conversationsの一環で技術系のインタビュー番組Tech Nationが配信されているが、最近は、WNYC(ニューヨークのキー局)制作のOn the Mediaというメディア系のニュース番組や、WGBH(ボストンのキー局)制作の「人」を語るMorning Storiesなどの既存のラジオ番組のポッドキャスティングが配信が開始されはじめた。
一方、RSS配信サービスのFeedBurner社によるとポッドキャスターの数は去年10月には750だったのが2004年末には1750と急激に増加している。絶対数はともかく伸び率は驚異的だ。これらの配信数の平均は14から5程度というから、ほとんどは草の根的なポッドキャスターたちであることがうかがい知れる。
ポッドキャスティングはもちろん、ウェブ、メルマガ、ブログにしろインタネット・メディアの面白いことの一つは、企業系の非常に完成度のたかいプロフェッショナルなコンテンツから、プロには思いもよらない野心的な挑戦をしたり、仲間内だけで楽しむコンテンツが作れる草の根メディアまであらゆる人たちを巻き込んだメディアである点だ。これからの発展が楽しみだ。
Kj
P.S. この記事をまとめるのにPodcast Now!のたくさんの記事を参照させていただきました。いつも、ありがとうございます。
とても、濃い情報ありがとうございます
投稿情報: mori | 2005-03-20 14:07